フランチャイズ便利屋開業の3つのメリット・5つのデメリット

 

「相川さん、フランチャイズでの便利屋開業って、どうなんですか?」

 

よく聞かれる質問です。

 

私個人としては、独立開業であっても副業開業であっても、フランチャイズの便利屋開業はおすすめしません。なぜならフランチャイズでの便利屋開業は『やってみなければわからないデメリット』が多くあるからです。

 

私はフランチャイズに加盟して便利屋を開業し、10年ほど加盟していた期間があります。ですからフランチャイズの良いところも悪いところも熟知しています。

 

実際にフランチャイズを体験した私だからこそ見える「メリットやデメリット」を隠すことなく書いておきますので参考にしてみてください。

 

フランチャイズ便利屋開業の3つのメリット

  1. 便利屋の基本の『き』を研修で教えてくれる
  2. サポートされている安心感がある
  3. 自己資金0でも、公庫から融資を受ける方法を教えてくれる

 

便利屋の基本の『き』を研修で教えてくれる

 

フランチャイズで開業する場合、開業前に3週間〜6週間ほどの研修に出席することが必須となっているところがほとんどです。私の場合、研修費は加盟金とは別に42万円かかりました。最近では65万円以上が一般的です。

 

この研修で、便利屋としての心構え、便利屋として受注の多い仕事(ハウスクリーニング、エアコン取り付け、取り外しなど)の作業ノウハウを学び、そこで実際にやってみます。研修を受けたところで、実際に仕事を受注する頃には忘れているものがほとんどですが、作業マニュアルなどをもらえるので、受注した際はマニュアルで作業手順を確認できます。

 

開業時に受注する仕事は未体験の仕事ばかりです。いろいろと不安になることも多く、研修とマニュアルは確かに心の支えにはなりました。便利屋の仕事がどんなものかも、研修によってざっくりとイメージできます。

 

サポートされている安心感がある

 

「フランチャイズで開業すれば初月から利益が出る」とお考えの方もいるかもしれませんが、正直言ってそう甘くはないです。個人がフランチャイズで便利屋を起業する場合、初月は赤字が普通です。

 

私は3カ月目には売り上げが100万円を超え、何度もフランチャイズ本部から表彰を受けた事業主ではありましたが、初月の売り上げはわずか263,340 円。フランチャイズ本部に毎月支払うロイヤリティなどの経費を引くと、利益は3,210 円でした。

 

決してさぼっていたわけではありません、1日 最低600枚のチラシをまくと決めて、毎朝、3時に起きてチラシ配りをしていました。9月11日に開業し、初月20日間でポスティングしたチラシは38,000 枚です。

 

開業時から数年、この朝のポスティングを続けました。後にフランチャイズ本部から『炎のチラシ配り』といわれた伝説の営業で、そこまでがんばっていても初月はこの結果なのです。なぜこんなにがんばったのかというと、フランチャイズから提供されるチラシの反応率というのはかなり低いので、がんばらざるを得なかったのです。

 

志に燃えてスタートして、この厳しい現実が突きつけられたとき、「この先、暮らしは大丈夫だろうか?」と、不安になる人は少なくないと思います。

 

当時の私は不安になって「果たして大丈夫なんでしょうか?」と、フランチャイズ本部に電話をしました。「大丈夫ですよ。チラシさえちゃんとまいていれば、必ず売り上げは上がります」というお返事をいただき、それで少しホッとしたのを覚えています。

 

なかなか思うように結果が出せず不安なとき、一人でないというのは心強いものです。

 

自己資金0でも公庫から融資を受ける方法を教えてくれる

 

フランチャイズで便利屋を開業するには、フランチャイズ本部に支払う初期費用は250〜500万円。先ほど説明したように初月は赤字スタートがほとんどですので、もし独立開業となったら、この他に3カ月分の生活費なども用意しておかないとなりません。

 

フランチャイズでスタートするための初期投資は、かなりの金額になるのです。すべてを自己資金でまかなうというのはかなりたいへんですし、まかなえる預貯金があっても勇気がいる投資です。それゆえ公庫から融資を受けて、開業資金に充てる人がほとんどです。

 

公庫から融資を受けるためには、めんどうな開業計画書を書いたりしなければなりませんが、本部担当者が書き方を親切に指導してくれます。

 

それだけでなく自己資金ゼロでも開業資金全額を公庫から借りる方法も、教えてくれるのです。(通常、公庫は自己資金0では融資しません。自己資金と同額が融資の上限です)

 

自己資金0で便利屋をフランチャイズ開業するというのは、後々の返済のことを考えるとかなり危険なスタートではあります。しかし、「手持ちの資金はないが、どうしても便利屋を独立開業したい!どんなに辛くてもがんばる」という覚悟がある人にとっては、ありがたい話ではあると思います。

フランチャイズ便利屋開業の5つのデメリット

フランチャイズでの便利屋開業のデメリットといえば、主に以下の4つです。

  1. 開業時に、250〜2,800万といった高額の開業資金が必要になる
  2. 毎月、本部に支払うロイヤリティが高額
  3. 効率的に売り上げを上げる方法を、本部が必ずしも知っているわけではない
  4. フランチャイズは辞められない!?

 

開業時に250〜2,800万といった高額の開業資金が必要になる

 

フランチャイズは、どこも開業時に加盟金を支払わなければなりません。安いフランチャイズですと加盟金は100万円ほどですが、フランチャイズ本部に支払うのはそれだけではありません。

 

他に研修費、資材一括購入などを入れると、開業時に支払う総額は250万円〜2,800万円にもなります。

 

加盟金以外の内訳としてひとつ例を挙げれば、開業前研修費は65万円ほど。

 

研修期間は3〜6週間です。フランチャイズで便利屋を開業するにあたり、この研修は必須ではありますが、この金額と時間が有益な投資かどうかは、疑問が残るところです。

 

内容を考えるとちょっと高額すぎる。今ではYouTubeという便利なものもあり、便利屋の作業はYouTubeで検索すればほとんど分かります。

 

スタートダッシュしたい時期に3週間以上の研修というのも長いと思います。副業でなく独立開業であれば、その時期の収入は0ということですから。

 

そして先ほど、『便利屋開業のメリット・サポートされている安心感がある』でお話ししましたが、フランチャイズで便利屋を開業した際、通常は赤字スタートです。

 

もし便利屋をフランチャイズで独立開業となれば、開業時に本部に支払う金額の他、当面の生活費の準備などもいるでしょう。

 

フランチャイズでの便利屋開業の最大のデメリットは、この高額な初期投資といえるでしょう。

 

私のコンサルはフランチャイズの研修費ほど高額ではありませんし、研修期間は1〜2週間(現場実習含む)で、後に相談期間を設けていますが、それで皆さん十分に事業を軌道に乗せることができています。

 

それを考えると、このフランチャイズの金額と時間の初期投資はもったいないと思います。

 

便利屋をいち早く軌道に乗せるためには、手持ちのお金と時間をどこに投資するかというのがとても大切です。

 

要するに便利屋の開業に当たっては、『相談できる便利屋経験豊富な人』が必要なだけで、そういう人を見つけることさえできれば、必ずしもフランチャイズに入らなくとも同じメリットを得られます。

 

何も250万以上の初期投資をする必要はないと私は考えます。

 

【大手フランチャイズの開業資金】

 

便利屋お助け本舗:https://otasuke365.co.jp/cost.html

 

町の便利屋さんファミリー:http://www.benriyanet.com/started/course.html

 

ベンリー:サイトには開業資金の記載はありませんが、加盟金・研修費・資機材費などで800万円。

 

開業にあたり、店舗、車3台が必要条件になりますので、この他に1,500〜2,000万円がかかります。

 

毎月、本部に支払うロイヤリティが高額

 

フランチャイズに加盟すると、毎月、本部にロイヤリティを支払う必要があります。

 

この金額が1カ月で5万〜15万円。たとえ病気になって働けない月でも、それは支払わなければなりません。

 

また、便利屋を辞めたとしても、契約期間中はロイヤリティを支払わなければなりません。

 

ロイヤリティというのはなかなかやっかいで、ボディーブローのようにじわじわと効いてくるものです。

 

志を持って本業で便利屋を開業した方でも、このロイヤリティに苦しめられて廃業した方を、私は何人も知っています。

 

それゆえ便利屋をフランチャイズ展開する会社の中には、個人のフランチャイズは難易度が高いと考え、個人への営業をひかえ、法人を対象にしている会社もあるほどです。

 

※参考【大手フランチャイズのロイヤリティ】

 

便利屋お助け本舗:http://otasuke365.co.jp/cost.html

 

町の便利屋さんファミリー:http://www.benriyanet.com/started/simulation.html

 

ベンリー:サイトにはロイヤリティの記載はありませんが、20万円まで段階的に上がっていきます。

 

効率的に売り上げを上げる方法を、本部が必ずしも知っているわけではない

 

「売り上げが上がりません」。こう便利屋オーナーが言ったとき、フランチャイズ本部の担当者は必ず「チラシを配ってますか?きちんと配ってくださいね」といいます。

 

確かに正しい指導です。でもそれしか言いません。フランチャイズ本部が便利屋オーナーに指導することは、ほぼそれだけです。

 

なぜなら彼らはサラリーマンで便利屋の経験がありません。私が所属していたフランチャイズでは、便利屋として成功したのは本部の社長だけ。あとはサラリーマンで便利屋経験のない人たちでした。

 

ですから「チラシを配る」以外の建設的な対策を彼らは持っていません。

 

「チラシを配るだけで仕事が入ります!便利屋は営業が楽なんです」と、フランチャイズ本部はいいますが、言い換えるとそれしか方法を知らないのです。

 

本部の人との会話は心の支えにはなりますが、「売り上げを上げるために必要な対策」は考えてはくれません。

 

それは便利屋を開業したオーナー自身が勉強し、考えていくことです。

 

フランチャイズであっても、個人の独立開業であってもそうなのです。成功は自分自身で作り出していかなければなりません。

 

儲かるはずが赤字続き

 

2018年11月8日の『朝日新聞デジタル』で、下記のタイトルの記事が掲載されました。

 

儲かるはずが赤字続きで フランチャイズ契約、加盟店の提訴相次ぐ

 

接骨院、リフォーム、塾や中古品販売など、様々なフランチャイズで、加盟店や本部からの訴訟が後を絶たないというのです。

 

争点となっているのは、主に「売り上げ想定」。

 

加盟する際にフランチャイズ側から説明される「売り上げ想定金額」よりも実際の売り上げがかなり下回ることが多く、勧誘時の「想定」が正しかったかどうかの争いに発展していく例が増えてきているというのです。

 

そしてフランチャイズ元加盟店主らが提訴すれば、フランチャイズ側も、原告の一部に対し、「加盟店をやめた後、○年間は競合事業をしない」との契約に違反して事業を続けているなどとして、損害賠償を求めて反訴するという泥仕合に。

 

この記事の中で、朝日新聞デジタルの取材に応じた弁護士達は、「FC加盟契約前に確認すべきポイント」を次のように語っています。

 

  • 契約前に本部から売り上げ予想が示された場合は、必ず根拠となる紙の文書を取っておく
  •  

  • 本部との契約トラブルを防ぐ第一の方法は、本部とつながっていない元加盟店オーナーに話を聞くこと
  •  

  • ネットでFCの名称と「裁判」「トラブル」などのキーワードを入れて検索
  •  

  • 中小企業庁作成の冊子「フランチャイズ事業を始めるにあたって」を読む
  •  

  • 中小企業庁ホームページで、同業の非FC企業の利益率を検索する
  •  

  • 出店地域の加盟店の収益予測と、その根拠となる事実を本部から得る
  •  

  • 本部の紹介以外の加盟店、元加盟店を訪問し、現場の実情を聞く

 

裁判ともなれば、お金も時間も体力もかなり消耗することになります。そうならないために、加盟前の調査と加盟後のシミュレーションはじっくりと行うことが得策です。

 

フランチャイズは辞められない!?

 

フランチャイズ契約の際、どこのフランチャイズでも『競合禁止期間』という規約があります。ざっくり説明すると、フランチャイズを辞めてから1〜5年は便利屋ができなくなるということです。

 

もしこの期間に便利屋業務を行ってしまうと契約違反になります。

 

その際は、本部が請求する違約金を支払うか、それを拒否した場合は裁判となり、いずれにせよ高額な金額を支払うことになるでしょう。

 

本部の調査は巧妙です。仕事を依頼するお客様のふりをして電話をかけてきます。

 

そのとき、うっかり仕事を受けるという対応をしてしまうと、契約違反として違約金を請求されます。

 

そのため競合禁止期間中は、絶対に便利屋の仕事はできません。

 

フランチャイズを辞めて便利屋を続けるというのは、ほぼ不可能です。競合期間が終え、便利屋として復活したとしても0からのスタートとなります。

 

競合禁止期間の間に、もうお客様が離れてしまっているからです。

 

また、最近はフランチャイズに加盟の際、フリーダイヤルの電話番号をレンタルされることが多いです。

 

つまり辞めてしまうと、今まで使っていた電話番号が使えなくなってしまうのです。

 

フランチャイズを辞めると、リピーターのお客様との関係が絶たれてしまう仕組みも契約には盛り込まれているのです。

 

それゆえフランチャイズ加盟店の便利屋は、高いロイヤリティに苦しみつつもフランチャイズを辞められないのです。

 

以上が、フランチャイズでの便利屋開業のメリットとデメリットです。「どんな形で便利屋を開業するのがベストなのか」は、人によって様々です。ご自身の場合に照らし合わせていただき、便利屋開業の参考になれば幸いです。