受注率が格段にアップする!便利屋の電話対応術
お客さまと便利屋との初めてのコミュニケーションは、ほぼ『電話』になります。この出会いがうまくいくかいかないかが、仕事の受注と今後の信頼関係に大きく影響することは、いうまでもないでしょう。
電話を受ける目的は『仕事を受注』することです。
そして『受注率が上がる電話対応』には いくつかのポイントがあります。
それでは具体的にどんなことに注意したら良いのでしょうか。この記事では、開業時により気をつけたい『電話対応のポイント』をお伝えします。
仕事依頼の電話は携帯に転送するのが基本
私は、店舗の電話番号を携帯に転送するようにしています。便利屋開業時はこれが基本と思ってください。
「作業中に手を止めて電話に出るよりも、事務代行を頼んだ方が良いのでは?」とお思いの方もいらっしゃるとは思いますが、これはイメージダウンにつながることが多いです。
具体的に説明すると こういうことです。事務代行を頼んだ場合、代行の方は便利屋業務の作業時間も作業内容も分かっておりませんので、「後ほど担当から折り返します」という返事しかできません。
したがって電話の時点では、お客さまの『困りごと』は解決への進展がありません。しかし便利屋本人が電話を受ければ違います。
そのときにすぐ仕事の打ち合わせをし、日程まで決めることができたり、あるいは見積もりが必要でしたら、見積もりに伺う日程を決められたりします。お客さまの『困りごと』は、解決に向けて一歩進むのです。
お客さまの立場から考えたら、どちらが親切かは一目瞭然ですよね。
もし専従の電話受付を育てたいと思っているのであれば、便利屋が軌道に乗り、あなた自身が、「この仕事はどのくらい時間がかかって、受注時にどんなことをお客さまに伺えばいいのか」というのを、データとしてアウトプットできるようになった後です。
これをマニュアルにして電話担当者に渡し、『店舗の顔となる受付担当者』を育てていき、スケジュール管理をお願いしましょう。
「お客さまは不安を持ちながらも、勇気を持って電話をかけてきている」と心得る
便利屋開業時はお客さまから電話がかかってくるとドキドキしてしまいますが、それはお客さまも同じこと。
お客さまも、見ず知らずのあなたに電話をかけてくるときには、
「いい人かな?怖い人だったらどうしよう。信頼できる人かな?うまく伝えられるかな?」
など、心の中ではいろいろな思いがあります。
それでも今、お客さまに起こっている『困ったこと』を解決したくて、勇気を持って電話をかけてくるのです。
そのことをしっかりと心にとめておきましょう。電話の相手に対する敬意があれば、それは自然と態度に出てきます。
電話での第一印象は たった3秒で決まる!?
第一印象は、対面では6秒、電話では3秒で決まるというデータがあります。第一声はすごく大事です。
明るい雰囲気で、声のトーンはいつもよりも少し高めで、
「お電話ありがとうございます!○○(屋号)の●●(名字)です」と電話に出ましょう。
ボソボソ低い声でしゃべるのは、絶対にダメです!
作業中で少しお待たせしてしまったら、「お待たせして申し訳ありません!」という一言も最初に付け加えましょう。
もし電話に出る前に切れてしまったら、すぐ折り返しの電話をします。
「お電話ありがとうございます。○○(屋号)の●●(名字)です。ただいま作業中ですぐにお電話をとることができず、申し訳ございませんでした」とおわびを一言入れるのも、お忘れ無く。
電話を切るときは、最後に「○○(屋号)の●●(名字)」が承りました」ともう一度名乗ります。
電話対応は、便利屋開業前に練習しておくことをおすすめします。
現代ではラインやメールなどのコミュニケーションが主流となり、営業の仕事をしている方は別として、丁寧な電話や対面のコミュニケーションには不慣れな方が多いかと思います。
ご自分の「お電話ありがとうございます!○○(屋号)の●●(名字)です」の声を、ボイスレコーダーに録音して聞いてみてください。
「この声、感じのいい人だな」と思うまで、何度も練習してみるのです。
電話受付のプロは、電話の前に鏡を置いているという話も聞きます。
笑顔で話すと自然と声が明るくなり、たとえ見えなくてもそれが伝わるというのです。鏡の前で練習してみるのも良いかもしれませんね。
電話受付では共感が大事
便利屋に電話をかけてくるとき、お客さまの心の中にはさまざまな思いや感情があります。
「水道の水が止まらない」とか、「子供の就職が決まった。引っ越しはどこに頼もうかな」とか、さまざまな依頼がありますが、
「水道の水が止まらない」というお客さまの心の声は「すごく困っている!」ですし、「子供の就職が決まった。引っ越しはどこに頼もうかな」というお客さまの心の声は、「うれしいと少しの困った」です。
電話を受けるときは、お客さまの『心の声』に敏感になり、共感しましょう。
例えば「実はトイレの水が止まらなくなってしまって…」とお客さまがおっしゃったときは、「それはお困りですね」とお客さまに共感します。
「自分の気持ちを理解してもらえる」というのは誰でもうれしいことですし、その一言でお客さまは少しホッとして、話がしやすくなります。そしてあなたに対する信頼度も高まります。
内容はしっかりメモをとる
基本中の基本で いうまでもないことではありますが、電話での内容はしっかりとメモをとります。
最低限必要なことは、下記の通りです。
- お名前
- ご住所
- 電話番号
- 依頼内容
- 訪問日時(仕事 または 見積もり)
最初の電話で大体の見積金額が分かって、それをお客さまにお伝えしたときは、その金額もメモしておきます。そうしないと後々、「電話の時と違う」ということが起きてしまう可能性があります。
うっかり聞き漏らしやすいことは?
便利屋開業時は特に、「うっかり聞き漏らして、実際に仕事に行ったら四苦八苦…」みたいなことが何度かありました。
特に多いのが引っ越しです。引っ越しは、今お住まいの場所を見ることは可能ですが、引っ越し先を事前に見ることはほとんどありません。
引っ越し先は遠方が多い、引っ越し先に現在は別の方が住んでいるなどの事情がありますから。
引っ越しの依頼で聞き忘れがちなのが、
- 引っ越し先は何階なのか
- エレベーターはあるのか
ということです。
引っ越しは、家族構成や荷物の量によっても事前に準備するものが変わりますが、上記の2つも事前の準備や作業時間、作業人数に大きく関わる事項です。
しかし・・・、開業したばかりの頃は往々にして聞き漏らしやすい事項でもあります。
引っ越しなど、作業現場を実際に見ることができない場合は特に、聞き漏らしがないか十分に注意を払いたいものです。
あと引っ越しではないのですが、「家の中のAの部屋からBの部屋へタンスを移動したい」という依頼も時々あります。これも、なるべくたくさんの情報を得たいケースです。
家具の移動というと、同じフロアで移動することをイメージしがちですが、家の1階から3階に移動するという場合もあるからです。
またタンスのように大きな家具の場合、「どうやって家具をその部屋に入れたのか」ということも聞いておいた方がいいでしょう。例えば「ベランダから入れた」とお客さまがおっしゃる場合は、屋内での移動が難しい場合もあるからです。
家具の移動は、実際にどうやって移動するか、頭の中でシミュレーションできるように情報をしっかり集めて準備をしましょう。
盲点!聞き忘れがちな「電話番号」
そして慣れてきた時に聞き忘れがちなのが、『電話番号』です。
「電話番号は、聞き忘れても電話機に記録が残るから…」と、ついつい油断しがちなのですが、「非通知設定だった」、「公衆電話からだった」という場合も時々あるのです。
聞き漏らしやすいケースをいくつかあげましたが、実は「聞き漏らし」は往々にして起こることです。経験から学び、「チェックリストを作成して対処する」ということをおすすめします。
大切なことは最後に復唱する
電話を切る前には大切なことを復唱します。お互いに勘違い、思い違いがないように、もう一度確認することが大切です。
- お客さまのお名前
- ご住所
- 電話番号
- ご依頼の内容
- 訪問の日時
- 電話で見積もりをしたのであれば、見積金額
そして最後に、「本日はお電話ありがとうございました。わたくし、○○(屋号)の●●(名字)が承りました」といって電話を切ります。
電話は原則として、かけた方が先に切るのがマナーです。受け手が相手の話が終わったと判断して、勝手に切るのは失礼にあたるからです。
便利屋に仕事を依頼される方はご高齢の方が多いのですが、この世代はメールやラインなどよりも、電話をコミュニケーションツールとして使っていた期間が長いのが特徴です。
それゆえ電話でのマナーを心得ている方が多く、丁寧な対応は信頼につながります。
以上が、『受注率を格段にアップする!便利屋電話対応術』です。
いかがでしたでしょうか?まだ電話になれていない便利屋開業当初は、心配でドキドキするかもしれませんが、皆さん同じです。
そして数ヶ月で慣れてきますから、安心してください。